NvidianもAMDに続く、チップメーカー仮想通貨マイニングの強い需要に注目
ECB総裁「銀行がビットコインを買う可能性はある」
ユーロ議会の年次報告の場にて欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は、ヨーロッパの銀行のポートフォリオにビットコインが追加される可能性があると発言した。一方、ビットコインや他の仮想通貨は、既存の規制から外れているためリスクが高い資産であることを理解すべきとした。
今回の発言は、アメリカでビットコインの商品先物取引が認められ、金融商品として取引が開始されたことが影響しているようだ。現在、銀行などの金融機関がビットコインを保有した際の監視体制を検証していることもわかった。
ドラギ総裁は、フィンテック分野が大きく成長し銀行の脅威となりつつあるとの考えを示した。特に貸金業や決済代行サービス業などの成長が著しいとみている。しかし、フィンテック分野の台頭が一方的に銀行業を脅かすとは考えておらず、銀行がフィンテック分野の技術を活用することで新たな価値を創出し、業務コストも引き下げることができるとみているようだ。
現状、欧州連合の銀行やクレジットサービスを提供する金融機関は、ビットコインや仮想通貨を決済手段としての活用に後ろ向きな姿勢を見せている。仮想通貨を既存の金融システムに応用させるための規制が定まっていないことが原因のようだ。ドラギ総裁はビットコインや仮想通貨の活用に対する市民からの需要が高まりをみせていることを認めている。
中央銀行の総裁が公式に、銀行などの金融機関がビットコインを保有する可能性について言及することは非常に稀である。ビットコインに対するリスクを考慮した上で、欧州連合の銀行がビットコインを保有することが正式に認められれば、仮想通貨業界にとってポジティブなニュースとなるだろう。
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ウィンクルボス兄弟「ビットコイン価格30倍以上に」
ウィンクルボス兄弟が7日、ビットコイン価格が今後10年から20年の間に30~40倍に上昇する可能性があると語った。米CNBCによる取材の中で述べた。
実現すれば、現在約15兆円のビットコインの時価総額は約550兆円規模になる。世界の金市場の規模が約770兆円となっており、これに迫るというわけだ。
各国政府や金融機関が仮想通貨に厳しい目を向けていることに対し、タイラー・ウィンクルボス氏は「想像力に欠けた批判」だと反論。仮想通貨が人間間の取引だけでなく、マシン間でのやり取りで重要な役割を果たすことになると言う。
「仮想通貨は人と人との間の取引にとってはそんなに重要ではない。だがマシン間の経済価値取引にはビットコインやイーサリアムのようなプロトコルが使われる。マシンはJPモルガンで口座を開かない。銀行口座はインターネットが存在する前に銀行家によって作られたものだ」。
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GMOコイン、Zaif運営会社に金融庁が立入検査
仮想通貨取引所コインチェックから約580億円相当の仮想通貨NEM(ネム)が流出した問題を受け、金融庁は、仮想通貨の取引所などを運営する複数の業者を対象に、資金決済法に基づき、立ち入り検査をはじめた。これらの業者についても、セキュリティ対策や、顧客の資産の管理態勢などを詳しく調べる必要があると判断した。
関係者によると、金融庁に登録している「仮想通貨交換業者」で、GMOコイン(東京都渋谷区)、取引所Zaif(ザイフ)を運営するテックビューロ(大阪市)が立入検査を受けている模様だ。
コインチェックの巨額流出問題を受け、金融庁は2月1日付で、仮想通貨交換業者16社と、コインチェックを除くみなし業者15社に対して、改正資金決済法に基づく報告を求める命令を出した。同庁が各社からの報告内容を精査した結果、システムリスク対策や、顧客の資産の管理体制などについて、詳細な検査が必要な業者が浮上した。
金融庁は今後、対象の業者に対して、業務改善命令などの措置も視野に検査を進めるとみられる。
テックビューロは、2014年6月の設立。同社が運営する取引所ザイフは、実質的に登録制度がスタートした2017年9月29日、金融庁に交換業者として登録された。業界では、最大手bitFlyer(ビットフライヤー)や、コインチェックに次ぐ存在感を示している。
社長の朝山貴生氏は、コインチェックから流出した仮想通貨ネムを推進する組織、国際ネム財団の理事を務めている。流出した仮想通貨の追跡などにも協力しているとされる。
2017年には、仮想通貨を用いて資金調達する新しい手法ICO(Initial Coin Offering)を実施し、日本円換算で100億円以上を調達したとされる。
GMOコインは、東証一部上場のGMOインターネットのグループ会社で、2016年10月に設立。2017年5月にサービスを開始し、同年9月29日に金融庁に交換業者として登録された。
2018年2月2日には、自社サイトのニュース欄で「顧客資産保護体制」と題して、「顧客資産は全て自社資産と分別して管理している」などと説明している。
立ち入り検査について、GMOコイン、テックビューロはいずれも、「コメントできない」としている。
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DMM、マイニングファームを金沢に開設
DMM.comは2月9日、金沢市で仮想通貨の大規模マイニングファームの運営を始めたと発表した。1000台規模のマシンが稼働する約500平方メートルの施設で、ビットコイン、イーサリアムなど複数の種類のコインをマイニングする。
マイニングとは、ブロックチェーン(取引台帳)への記録・更新作業のこと。取引データの固まり(ブロック)を世界中の企業や個人ユーザーが計算し、最も早く計算に成功(承認)できたものに対して報酬の仮想通貨が支払われる(新規発行される)仕組みになっている。高性能なコンピュータを必要とし大量に電力を消耗するが、DMMは「寒冷地区にマイニングファームを設立することで低価格な電力調達を実現し、マイニング収益を最大化する」という。
また、マイニングファームをショールーム化し一般に公開する。3月中旬から見学の受け付けを開始する。
GMOインターネットもマイニング事業に参入しているが、マイニングセンターは北欧に設置している。国内で企業が大規模のマイニングファームを開設するのは初めて。
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フォーブスが仮想通貨長者番付を発表、1位はリップル創設者クリス・ラーセン
2月6日、世界長者番付で知られる米経済誌フォーブスが初めて、仮想通貨長者番付を発表した。
フォーブス編集者のランドール・レーン氏によると、こうしたリストを発表した目的は「(時代の)転換期の記録を提供することにある。麻薬取引に使われる通貨というもともとの始まりから仮想通貨を引き離し、成長段階にある正規の資産として仮想通貨を評価するために必要な透明性確保の一端を担う」。
通常の長者番付の作成に比べて、仮想通貨長者の実際の資産を正確に査定するのはより複雑な作業だ。
伝統的な金融制度の外で生まれた、暗号化された決済システムである仮想通貨は分権的だとされる。フォーブスのジェフ・カウフリン記者は「新しく生まれた仮想通貨長者は、病的な秘密主義とこれ見よがしな誇示の混じった奇妙な状況で生きている」と説明する。
フォーブスの仮想通貨長者番付は「理想主義者」「構築者」「オポチュニスト(日和見主義者)」「インフラ・プレイヤー」「伝統的富裕層の投資家」の5つの部門に分かれており、ランクインするには少なくとも3億5千万ドル(約383億円)の資産が必要だ。
固定的な数字の代わりに、番付に掲載された人物の純資産は幅で示されている。
仮想通貨の推定保有量、仮想通貨資産取引の税引後利益、仮想通貨関連ビジネスへの投資を元にして査定が行われた。
それでもリストに入れ逃してしまった人物がいるかもしれないこと、さらに資産の査定が的外れである可能性があることをフォーブスは認めている。
今回の番付には19人が名を連ねた。フォーブスのウェブサイトに、それぞれの略歴と仮想通貨の推定純資産が紹介されている。
仮想通貨長者と米長者番付「フォーブス400」にランクインした富豪との平均年齢の比較データ(42才対67才)や、2018年1月のビットコイン、イーサリアム、リップルそれぞれの平均価格変動をアップル、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の株価と金の価格の変動と比較したデータなども同時に公表された。
番付を作成する際に、レーン氏はブロックチェーンを扱うコンセンシス社の設立者であるジョー・ルービン氏に、こうしたデータを公表することについて、仮想通貨長者たちがどう思うか相談したという。
レーン氏が「仮想通貨界の政治家」と評するルービン氏は、自分たちは注目を集めることを望んでいないと答えた。
さらに、フォーブスが正確な数字を導き出すことができるか疑問視し、リストにランクインした人たちを盗難の危険に晒す可能性があることも指摘した。しかし、レーン氏によれば、ルービン氏や彼の「仮想通貨エリート」たちはリストの意義も認めた。
フォーブスは「世界をより良い場所にするために、姿が見えない富裕層に光を当てる必要があると信じている。違法薬物取引サイトのシルクロードやマウントゴックスのハッキング事件の日々から仮想通貨が進化してきたように、このような大規模な富が影に潜んでいることを許してはいけない」とカウフリン記者は文章にしている。
今回フォーブスが発表した仮想通貨長者番付の一部は次の通りだ。
1位クリス・ラーセン(リップル共同創設者、54才):75~80億ドル
2位ジョセフ・ルービン(イーサリアム共同創始者及びコンセンシス創業者、53才):10~50億ドル
3位「CZ」こと趙長鵬(バイナンスCEO、41才):11~20億ドル
4位ウィンクルボス兄弟(ウィンクルボスキャピタル創設者、36才):9~11億ドル
5位マチュー・メロン(投資家、54才):9~10億ドル
6位ブライアン・アームストロング(コインベースCEO、35才):9~10億ドル
7位マチュー・ロザック(Bloq共同創始者、タリーキャピタル創設者、45才):9~10億ドル
8位アンソニー・ディオリオ(イーサリアム共同創始者、JaxxおよびDecentral創業者、43才):7.5~10億ドル
9位ブロック・ピアース(ビットコイン基金会長、ブロックワン顧問、37才):7~10億ドル
10位マイケル・ノヴォグラッツ(ギャラクシーデジタルCEO、53才):7~10億ドル
また、トップ10からは外れたが以下の面々もランクインしている。
・ヴィタリック・ブテリン(イーサリアムを生んだ開発者、24才):4~5億ドル
・ブラッド・ガーリングハウス(リップルCEO、47才):4~5億ドル
・バリー・シルバート(デジタルカレンシーグループCEO、41才):4~5億ドル
・ソン・チーヒュン(韓国仮想通貨取引所アップビット創業者、38才):3.5~5億ドル
ちなみに仮想通貨に関するニュースを伝えるメールマガジン クリプトウィークリーも同様に、仮想通貨世界で最も影響力のある100人というリストを発表している。クリプトウィークのリストは純資産だけでなく、仮想通貨世界への研究や技術による貢献も考慮している。
仮想通貨ライトコインの創設者チャーリー・リー氏やビットコイン投資家ロジャー・バー氏、仮想通貨のパイオニアであるニック・スザボ氏などは、フォーブスの仮想通貨長者番付にはランクインしていないが、クリプトウィークリーのリストには含まれている。
参考URL:
https://jp.cointelegraph.com/news/forbes-publishes-first-ever-richest-people-in-cryptocurrency-list