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ブラジルサンパウロ市 ICOでインフラ建設計画中

2016年はブラジル・サンパウロ五輪が世界の目を奪った。その際、4500万人の市民を擁する南半球最大となる大都市サンパウロのインフラ問題、特に犯罪と麻薬の巣窟と化したスラム街が浮き彫りにされたことを覚えているだろうか?

そのサンパウロが、「buildcoin(ビルドコイン)」と呼ばれるトークンを発行して、インフラ改善のためにICOによって資金調達をする一大計画を進めている。

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仮想通貨「buildcoin」発行で資金調達

プロジェクトは、「Ilumina SP」プログラムと命名された。Iluminaは照明、イルミネーションのポルトガル語(Iluminações)であり、サンパウロを将来明るく輝く都市にするという希望が込められている。「buildcoin」のICOで得られた資金は、この大きな建設プロジェクトの実行に支出され、特にプロジェクトのフィジビリティスタディや、世界から呼ぶエンジニアの報酬などに当てるという。

※フィジビリティスタディ(feasibility study)とは?
実現可能かどうかを検討する為の事前に行われる調査や研究のこと

プロジェクトが成功すれば、ブロックチェーン技術は、インフラに投資したいが信用できる自主的な研究に支払うマネーもしくは必要な専門知識へのアクセスに欠けるブラジル政府にとって、理想的な次善策となる。

サンパウロ市当局者は、世界中から関心を呼び、それを仮想通貨で償うというモデルケースとなりうるもので、これまでのプロセスより透明性を持ち、安価で迅速にインフラ要件を満たすことになると期待している。

トークン名はERC-20、イーサリアムと交換可能

プロジェクトは、ワシントンのコンサルタント企業CG/LA InfrastructureとスイスのツークにあるBuild Coin Foundationとの提携事業となる。CG/LA Infrastructureは、6万人を抱える専門家ネットワークを活用する。建設管理の非営利組織で知られるBuild Coin Foundationは、建設業界向け決済代行エコシステムの構築を目指す独自のトークンの発行を支援する。トークン名はERC-20、イーサリアム(Ethereum)と交換可能なトークンとして発行される。

フィージビリティスタディは、例えば、橋梁を専門とするある国のエンジニアが協力要請を受けると、その貢献度の対価として一定枚数の「buildcoin」を受け取る仕組み。米国の2チャンネルであるReddit方式と似たやり方を採用して、参加関係者の投票でその仕事ぶりが評価され、対価としてトークンが支払われる。

インフラ投資力不足を補う国際協力によるICOに期待

ブラジル経済は、中長期的な成長は見込まれるが、短期的には難しい局面にある。GDP成長率は2015、16年と2年連続マイナス3%超、17年にようやく底打ちして実質+1.0%にまで回復し、18年はプラス2.6%と予測されている。ブラジル経済は現象的には「不景気にもかかわらず、インフレ率が高い」というスタグレーション状態なのだ。貧困にあえぐ市民は極めて多い。

※スタグレーション(stagflation)とは?
stagnation(停滞)とinflation(インフレーション)の合成語。経済活動の停滞(いわゆる不況)と物価の上昇が併存する状態のこと

ブラジルは不景気対策のため利上げしたいのだが、インフレに悪影響を及ぼすのでそれもできないというジレンマにある。政策金利は、16年8月には14.25%であったが、徐々に引き下げられて17年12月現在では7.0%である。

このような経済不況を反映して、ブラジルのインフラ支出はGDPの1%ほどまで縮小している。世界のインフラ支出が平均4%であるのと比較して目立って低く、サンパウロ五輪の際も「インフラの弱さ」を世界に見せつけた。国際協力による仮想通貨のICOにを通じたインフラ資金調達プロジェクトは、異色の試みとして成果が注目される。

 

参考URL:

https://coinchoice.net/saopaulo_crypto_story_continues/