22のヨーロッパ諸国がブロックチェーンパートナーシップを締結
欧州委員会は、ブロックチェーンの発展を促すパートナーシップを締結したと発表した。パートナーシップには、イギリス、フランス、ドイツ、ノルウェーなどのヨーロッパの主要国を含む22カ国が合意した。
パートナーシップの目的は技術革新を促すだけでなく、各国の規制の足並みを揃える狙いもある。ブロックチェーンはインターネットのように国境を越えた情報通信が行える。どのような情報をブロックチェーン上に記録するかなど、各国が情報規制の方向性をすり合わせていく必要がある。
パートナーシップ加盟国は、行政に関するデータを市民と共有するための通信インフラとしてブロックチェーンを活用していく考えだ。パートナーシップを組むことでより質の高い公共サービスを提供できると期待されている。
欧州委員会のマリヤ・ガブリエル委員は、すでに金融部門でのブロックチェーンを使った実証実験に成功していることを報告した。今後さらに規制報告、エネルギー、物流の分野での情報伝達ツールとして活用していくとしている。
欧州委員会では今年の2月、ブロックチェーンの発展を促すための専門チームが立ち上げられており、100億円以上が投入されている。さらに2020年までにブロックチェーンの技術開発のため400億円が予算として確保されている。
ブロックチェーンにより生活が豊かになると期待される一方、活用方法を間違えば市民のプライバシーを侵害すると警鐘を鳴らすものもいる。Lightstreamのマイケル・スモレンスキCEOは、各国政府が構築しようとしているパブリックチェーンに記録するデータの種類を限定するべきだとしている。
「ブロックチェーンに記録するデータは一般に公表できるデータのみを記録するべきだ。個人のプライバシーを侵害する可能性のあるデータをは記録すべきではない。一度ブロックチェーン上に記録されれば、すべての人がどこからでも閲覧することができるからだ」
ブロックチェーン上のデータ規制は、政府のパブリックチェーンが成功するか否かを大きく左右する。ブロックチェーン上のデータは消去することが非常に困難であるため、技術の特性を加味しながら慎重に議論を進める必要があるだろう。
参考URL: