仮想通貨は第二のスイス銀行口座か?タックスヘイブン化警戒
世界の監督当局は仮想通貨がタックスヘイブン(租税回避地)になる事態を警戒している。ただ、もう遅いようだ。
デービッド・ドレイク氏を見れば、それが既に起きていることが分かる。同氏はニューヨークに拠点を置くファミリーオフィスで1000万ドル(約11億円)余りの資金を仮想通貨とブロックチェーン関連に投資。海外ビジネスで得た利益を合法的に保管し米国での税負担を減らす場所であるオフショア銀行口座のように、デジタル通貨を利用している。
メイ英首相やインドのモディ首相など世界各国の指導者は、仮想通貨がオフショアへ向かうことに懸念を表明。米議会は公聴会を今月開き、ムニューシン米財務長官は仮想通貨が「次のスイスの銀行口座にならない」ようにするため20カ国・地域(G20)に協力を呼び掛けた。
上場・非上場企業25社で取締役を務めるドレイク氏は「答えを出すためにどの国も急いでいる。業界をつぶさないような規制構造が必要だ」と語った。その上で、優れた監視は業界が信任を得るのに役立つだろうと指摘した。
資産をオフショアに保管するための仮想通貨の利用は、暗号化などにより追跡が困難で匿名性の高いZキャッシュやマネロの登場で急速に進化している。「Zキャッシュ・トラスト」を投資家に提供するニューヨーク拠点のグレイスケール・インベストメントによると、世界のオフショアには約10兆ドルが保管されている。同社のマシュー・ベック氏は、2025年までにそのうちの最大10%がZキャッシュに置き換わる可能性があるとみる。
参考URL:
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-01-30/P3COB06TTDS101