仮想通貨で一番儲かっているのは取引所でもマイニングでもない「アレ」
仮想通貨業界と一言にいっても、マイニング企業や取引所、ウォレットサービスなど様々なタイプの企業があります。
この業界の中で一番効率よく儲かっているビジネスは一体どれなのでしょうか。
先日、元R3のティム・スワン氏がこんなことをツイートしています。
Yesterday a reporter asked me:
— Tim Swanson (@ofnumbers) 2018年2月7日
"Which US-based cryptocurrency-related companies had the highest legal revenue per employee."
I know there are a lot of headline numbers out there but the undisputed answer is this:
「先日、ある記者の方からアメリカで社員一人当たりの売り上げが一番出ている企業はどこですかと聞かれました。」
そしてその次のツイートで「Cumberland(DRW)、Jump、CircleのようなOTCサービスプロバイダーだ」と述べ、社員一人当たり3000~4000万ドルくらいなのではないかと予想しています。
Cumberlandは不動産や様々なアセットを取り扱うDRWグループの仮想通貨を担う子会社で、Circleは一般ユーザーには送金アプリで知られていますが、大口向けのトレードサービスも扱っています。
仮想通貨のOTC取引サービス
一般の仮想通貨トレーダーであれば、取引所サービスを通じてビットコイン(BTC)やその他の仮想通貨を売買していると思いますが、OTC取引では取引所を介さず直接やり取りをします。
Cumberlandの例を見てみると、最低取引額は100,000ドル(約1000万円)で、取り扱っているのはビットコイン(BTC)やビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)、Zcash、モネロです。
KYC(身元や資産状況の確認など)を済ませた後に価格の提示があるシステムになっていて、手数料はゼロですが、カウンターパーティーに提示される金額のスプレッドはリスクやボラティリティを加味したものになっています。
ティム氏は、取引所は大きな利益を上げているもののカスタマーサポート等にたくさんのスタッフが必要であったりハッキングや詐欺に狙われる一方、OTCトレードサービスは大口の顧客のみに向けたサービスを少人数で運営していることが理由としてあげています。
Coinbaseの昨年の売り上げが10億ドル(約1000億円)だとの報道がありましたが、一方でカスタマーサポートは180人体制、2018年には400人体制に増やすといわれています。売り上げだけを見るとOTCトレードサービスのほうが小さいかもしれませんが、効率が良いということのようです。
昨年11月のブルームバーグの記事によると、JUMPは10人で運営されており、DRW Cumberlandの社員数は15人で、シカゴ、ロンドン、シンガポールに拠点があります。(ただ、親会社のDRWは社員数800人以上で、一部機能はそちらが担っている可能性もありますし、DRW全体の社員数で割ると計算は大きく変わりますが・・。)
売り上げの正確な数字は公開されていませんし、ティム氏の発言もあくまで予想ですが、普段一般のユーザー向けの取引所のほうがスポットライトが当たることが多い中で、機関投資家や大口トレーダー向けのトレードサービスを提供する会社に状況にも目を向けて業界の様子を別の角度からも見ることができれば面白いのではないかと思います。
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