ジンバブエ中銀、仮想通貨取引禁止の方向へ
ジンバブエ中央銀行(RBZ)は、国内の仮想通貨取引を禁止する方向で動いている。金融機関向けに、仮想通貨に関連する企業と取引をしないよう命令を下した。60日間を取引停止までの期間として設けた。
ジンバブエ中銀は仮想通貨が、公共の公平性や金融システムの運用に支障をきたす可能性があることを理由に、国民の仮想通貨の利用を禁止しようとしている。
仮想通貨の取引が禁止されようとしている一方、ジンバブエで仮想通貨取引所を運営するGolixは先月、ビットコインのATMビジネスを開始している。手数料は約10%と高額だが、ユーザーにとっては現金を使ってビットコインを購入することができる数少ない入手手段だ。
ジンバブエでは仮想通貨に関する規制方針が定まっておらず、関連企業は未登録でビジネスを行っている状態だ。またGolixは今月ICOを行う予定で、ビットコインとイーサリアムで購入することができる。
ジンバブエは2008年にハイパーインフレーションを経験しており、ピーク時にデイリーで98%ものインフレが起きていたという。つまり紙幣の価値が毎日2%に減少するといった状態であった。そんな状況を経験した国民が、仮想通貨などで自身の資産を管理しようとする動きができるのは必然と言えるだろう。
ジンバブエ同様にインドでも中銀(RBI)が仮想通貨の取引を禁止しようとする動きがある。インド中銀は先月、金融機関に仮想通貨関連の企業と取引を停止するよう求めていた。一方、インド中銀の決定に違法性があるとし、複数の仮想通貨取引所が中心となりRBIの命令を差し止めるための訴えを起こしていた。
インドの最高裁判所は今月11日、インド中銀の命令の差し止め要求を認めず、インド中銀の金融機関への命令は今も効力を持っている。裁判は、5月17に再度行われる予定となっている。
中央銀行は、政府によってお金を刷ることが許されたいわば独占機関だ。仮想通貨は政府管理の外側でお金の取引や発行ができるため、経済政策が困難になる可能性があり禁止しようとする動きが強まっている。
今後もこの銀行業界からの規制の強化という抵抗は続いていくと思われるが、ジンバブエのようにすでに一度経済のコントロールに失敗している国の中銀が、経済の安定を理由に仮想通貨を禁止するという方針には違和感を覚える。
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