自作PC初心者女子のマイニング奮闘記①「準備編」
仮想通貨は中央銀行がありません。それではどこが新しい仮想通貨を発行しているかというと「マイナー」と呼ばれる個人です。
そして、マイナーが新しい仮想通貨を発行する作業を「マイニング」と言います。ビットコインはマイニングが産業化してしまったため個人がマイニングしても企業に勝てず利益を出すことが難しいです。しかし、仮想通貨はビットコイン以外にもたくさんありますし、基本的には誰でもマイナーになれます。
どうやってお金を発行しているかというと、パソコンに計算をさせてその答えを見つけるのです。マイニングにはマイニングに適したパソコンが必要になるのですが、それは電気屋さんに売っていません。そのため、マイニング用のパソコンを自分で作らなくてはいけません。
マイニングはメカに強い男性の専売特許のようなイメージがありますが、はじめることは誰でもできます。たとえ自分でパソコンを作ったことがない文系女子でもできるということを、ここで証明していきたいと思います!
また、自宅でマイニングを経験することで、今後マイニング投資をする際に活きる経験になると感じています。
実際に揃えたもの
今回は実際に私が揃えたマイニング用自作PCの準備物と諸費用について紹介します。
準備したのは以下です。
1: マザーボード(H110PROBTC+)13,300円
2: 電源ユニット(SS860XP2S)25,800円
3: CPU(G3930)4,180円
4: ストレージ SSD(SDSSDA-240G-J26)9,080円
5: メモリ(CFD W4U2400PS-4G)7,980円
6: 光学ドライブ(GH24NSD1BLBLH)1,980円
7: GPU(GEFORCE GTX1060)34,800円
8: OS(Windous10)13,800円
9: モニター 7,000円
10:モニター用コード 590円
11:マウス&キーボード 980円
12:メタルラック3段 幅55×奥行35×高さ80㎝(CMM-55083)3,305円
13:コルクボード(MTO-535K)450円※ダンボールでも構いません。
総額12万3245円
※9~13は上記画像に入っていません。
購入先はツクモ電機です。(モニター・マウス・キーボードは地元にある中古電気屋さん、メタルラックとコルクボードはAmazonで購入しました)
自作PCやマイニングについて知識がある場合はネットで購入することも可能です。ただ、私はマイニングはおろか自作PCについての知識もゼロなので、秋葉原にある電気屋さんを3軒回って話を聞き、見積もりを出してもらいました。どこの店舗も丁寧に対応してくれたのですが、一番マイニングについての知識が深いのはツクモ電機だと感じました。
それでは、準備物について1つずつ説明していきます。
1:マザーボード
マザーボードとはパソコンを起動させるために必要な複数の部品を1つに集約するための基盤です。この基盤に複数の部品を繋いでいきます。
私が選んだのはASRock製マザーボード「H110ProBTC+」です。これはグラフィックボードを最大13枚刺せる仕様になっているマイニング用のマザーボードです。ツクモ電機で13,300円で購入しました。
2:電源ユニット
電源ユニットはパソコンのコンセントのようなものです。この電源を各部品に配線を使ってつなぐことで電機を供給します。
マイニングをする際、パソコンはずっと起動していないと効率が悪いので電源を切ることはありません。そのため電源ユニットが肝になります。ここは価格をケチらずに良い商品を選んでください。電源ユニットの規格で80plus Gold以上の製品を選びましょう。
また、グラフィックボード(GPU)を何枚刺すかによって選ぶべき電源ユニットの種類が変わってきます。基準としてGPUが2枚なら500〜600W、3枚なら700W、4枚以上なら1000Wの製品を選ぶと良いです。
私が選んだのはオウルテック製プラチナ電源(860W)SS860XP2Sという商品です。まずはGPU1枚で始めますが、今後増やすことを考えて860Wを選びました。こちらもツクモ電機で25,800円で購入しました。
これが電源に部品をつなぐための配線です。
3:CPU
CPUとは、Central Processing Unitの略です。プロセッサーとも呼びます。
人間でいうところの頭脳の役割を担う部品ですが、マイニングではCPUパワーはあまり必要ありません。ここは値段を抑えても大丈夫です。
私が選んだのはCeleron製Dual-Core G3930 BOXで価格は4,180円でした。こちらもツクモ電機で購入しました。
CPUを冷却するためのファンも付属のもので十分です。
4:ストレージ
ストレージにはSSDとHDDがあります。SSDとはSolid State Driveの略で、フラッシュメモリを用いた記憶装置のことです。HDDとはハードディスクのことです。一般的にSSDのほうがHDDよりも書き込み、読み込みの速度が速く静かという特徴があります。
そのため、SSDはHDDよりも高額です。マイニングで使用する際には50GBもあればWindowsが入るのでHDDでも問題ありません。ただ、SSDのほうが省電力なので、長い目で見れば利点があります。
私が選んだのはSanDisk製SSD PLUS SDSSDA-240G-J26という製品でツクモ電機で9,080円で購入しました。
5:メモリ
メモリーはWindowsやプログラムの起動・動作速度、処理速度に関わる部品です。マイニング用PCなら高い機能は必要ありません。マザーボードに対応した一番安いメモリで十分です。
私が選んだのはPanram製CFD W4U2400PS-4Gという製品でツクモ電機で7,980円でした。
6:光学ドライブ
光学ドライブはWindowsなどのディスクを読み込むために使用します。自作PCの初期設定で必要になりますが、普段は使用しません。DVDの読み込みができればOKです。
私が購入したのはSATA接続 DVD Multi光学ドライブGH24NSD1BLBLHで、価格はツクモ電機で1,980円です。
7:GPU
GPUとは「Graphics Processing Unit」の略です。もともと三次元のコンピューターグラフィックスに必要な演算処理をする部品の1つです。グラフィックスとは画像を意味し、なめらかな三次元画像を動作させるために作られました。
この処理能力がマイニングにも利用できることがわかり、今現在は自作PCマイニングはGPUマイニングが主流です。GPUを利用することで複数の計算を並列化して行うことができます。
GPUは種類によって特性が違うので、自分がどのようにマイニングを進めていきたいかによって選ぶ製品が変わります。マイニングに適しているGPUは「Radeon RX」系と「GeForce GTX」系の2種類です。それぞれの特性を簡単にみていきます。
①Radeon RX系
Radeon RX系はイーサリアムのマイニングに強いです。他のコインも掘れますが、効率が落ちます。イーサリアムマイニングに対して短期でみるとGeForce GTX系よりもかなり高いパフォーマンスを発揮します。
ただ、マイニングの継続期間が長くなればなるほどパフォーマンスは低下します。そのため、初期投資費用を早期回収したい場合に向いています。
また、転売する場合にゲームユーザーに好まれないため、マイニング用としてしか需要があまりないという特性もあります。
2017年8月現在おすすめなのは、Radeon570、580です。
②GeForce GTX系
GeForce GTX系はMonacoinやZcashのマイニングに強いです。短期でみるとRadeon RX系ほどの高いパフォーマンスは発揮しません。
ただ、マイニングの継続期間が長くなってもほとんど効率が落ちません。そのため、中長期で安定したパフォーマンスを発揮することができます。
また、ゲームユーザーに対して需要がある製品のため、値崩れしにくいという特性があり、転売しやすいです。
2017年8月現在おすすめなのは、GTX1060、1070、1080です。
私が今回購入したGPUはmsi製GEFORCE GTX1060です。価格はツクモ電機で34,800円でした。
8:OS
OSとはコンピューターを動かすためのソフトウェアです。Windows 7、 8、10の64bit版を選んでください。32bitでは動かない可能性があります。
また、GPUを4枚以上刺すとWindows7では認識されません。さらに5枚の場合には全GPUが認識されなくなるケースもあるため、OSはWindows10がおすすめです。
私もOSはWindows10を選びました。価格は13,800円です。
9:モニター
初期設定やマイニング状況を確認するためにモニターが必要です。初期費用を抑えるために中古で探すのが良いでしょう。ただ、アナログ信号だとつなぐことができないため、デジタル信号に対応したものを選んでください。
私は中古電気屋で7,000円で購入しました。
10:モニター用コード
モニターとマザーボードをつなぐためのコードです。GPU1枚の場合には直接マザーボードのスロットにGPUを刺せるので、モニターとGPUをコードでつなぎます。
私は590円で買いました。
11:キーボード&マウス
モニター同様、中古で安いもので十分です。マイニングを開始すれば基本ほったらかしにできるので、キーボードを使うのは設定のときだけです。
私は中古電気屋で980円で買いました。
12:メタルラック
PCケースを使う人もいますが、安く抑えるならメタルラックに組むのがおすすめです。マイニングするとGPUが熱を発するのですが、この形状なら熱もこもりません。
私が購入したのはアイリスオーヤマ メタルラック カラーメタルシリーズ ポール径19mm カラーメタルラック 3段 幅55×奥行35×高さ80㎝ CMM-55083という商品です。価格はAmazonで3,305円でした。
段の位置も変えられるので、GPU2枚目を購入したら2段目から吊るそうと思っています。
13:コルクボード
メタルラックにマザーボードを直置きすると基盤がショートします。そのためコルクボードを購入しました。ダンボールで構いませんがかっこ悪いかなと思ってコルクボードを買って見ました 笑
私が購入したのはアイリスオーヤマ メタルラック メタルミニシリーズ コルクシート 幅52.5×奥行32.5㎝ MTO-535Kという商品です。名前からするとメタルラックのシリーズ商品ですね。価格はAmazonで450円でした。
そして完成したのがこれです。
センスない。というかGPU1枚なので簡素なのです。。。さっそくGPUを追加しようと思っています。
紹介したもの以外に準備が必要なものは「インターネット環境」と「電気」です。その2つを除けば、紹介した準備でマイニングを始めることができます。私の場合は総額12万3245円でした。
次回はさっそく「生まれてはじめての自作PC制作奮闘記」について紹介しますね。
ではではまた〜〜