M1グランプリ2017で優勝した○○も言及した「仮想通貨」を10分でおさらい
M1グランプリ2017で優勝したとろサーモン久保田も言及して、ますます話題を集める仮想通貨。
一口に仮想通貨といっても、コインの種類はさまざま。どんな要因で値動きし、またどの程度のリスクを内包しているのか知ることが第一歩になる。ここでは仮想通貨の「いろはのい」を紹介したい。
10分でわかる[仮想通貨の基礎知識]
仮想通貨市場の過熱が止まらない。その代表格であるビットコインの現在の価格は、12月10日現在およそ160万円台前後を推移している。
「今年の初めは10万円台、約15倍以上も値上がりしています。最近では、高確率の的中率を誇る米国のAIが『ビットコインの価格は来年秋には200万円まで上昇する』と予測しましたが、来年秋どころか今年の12月8日にすでにその予想が的中どころか220万円台後半にまで到達してしまいました」
そう述べるのは、仮想通貨を題材にした著書もあるライターの高城泰氏。特にビットコイン市場において日本は世界一の取引高を誇る。10月の取引量は、1.8兆円にのぼった。
「現在、日本では大量のリスクマネーが仮想通貨市場に流入しています。国策レベルでも仮想通貨やブロックチェーンなど新たな産業のイノベーションを許容する土壌もある」
と解説するのは、国内大手取引所「コインチェック」COOの大塚雄介氏だ。
ビットコイン先物市場の上場でますます価格高騰が進む!?
追い風はしばらくやみそうにない。
「今年に入り施行された改正資金決済法により、投資家保護の体制が確立されました。12月には、証券取引所を運営する米CMEグループによってビットコイン先物の上場が控えている。これは機関投資家などプロのトレーダーが動かす多額の資金が仮想通貨市場に流入することを意味します。市場拡大に拍車をかけるのは明白」(高城氏)
「通貨」「コイン」といっても、実体を持たない仮想通貨は、あくまでもバーチャルなもの。
「特定の国に属することのないコインの所有権をデジタルでやり取りするイメージです」(高城氏)
仮想通貨の価格上昇を支える要因は2点。ひとつ目は、実需の拡大だ。
「家電量販店ビックカメラでは、全店でビットコイン決済に対応済み。またDMMや風俗情報サイトマンゾクなど、身近なところでもビットコインが採用されています。利便性の高まりは、追い風になるはず」(高城氏)
世界的な歌姫・ビョークがビットコイン、ダッシュ、ライトコインで購入できる新アルバムを発売したことも話題になった。アダルトからカルチャー面にまで仮想通貨が広く浸透しているのも興味深い現象だ。
今大きく勝っている人はアルトコインで儲けている
実需を伴いながら、膨張する仮想通貨市場。その最大の魅力はボラティリティにある。
「特筆すべきは、資産の増えるスピード感です。通常、株やFXで億超えするには5年、10年かかると言われますが、仮想通貨では、わずか半年や1年という期間で『億り人』が続出している」(高城氏)
最近ではレバレッジを利かせたビットコインFXも話題。大きく稼げるチャンスとして、企業やプロジェクトが独自コイン(トークン)を発行することで資金調達を行うICO(Innicial Coin Offering)もある。ただ、より身近なのは「アルトコイン(オルトコイン)」と呼ばれる「ビットコイン以外の仮想通貨」への投資だろう。
「絶対王者であり、基軸仮想通貨として君臨するビットコインを持ち続ける、という投資法は手堅い。が、より利幅を狙うならアルトコインでしょう。今年、時価総額2位のイーサリアムは、1000円から4万円へと40倍に。3位のリップルは1円から一時、50倍にまで値上がりしました。今年に入って誕生した億万長者たちの多くは、このようなアルトコインに資産を傾けています」(高城氏)
現在、日本国内で取引されている仮想通貨は、およそ30種類ほど。海外で取引されているものを含めると、その数は、1000種類を超える。仮想通貨で財を成すには、これらのアルトコインの銘柄選定が肝心となる。
「仮想通貨においては、価格の推移やチャートの見方や売買の手法など、これまでの金融の知識に加え、ITリテラシーを心得ている人が勝ち残っていくはず。ツイッターなどでいち早く一次情報源をキャッチするための英語力も問われてきます」(大塚氏)
これだけ注目されている仮想通貨、「そろそろ買ってみよう」と思いながらも「本当に大丈夫か?」と危惧する声も多く聞かれる。魅力であり、リスクでもあるのが値動きの激しさだ。
「仮想通貨の価格変動には、いくつかの要因があります。まずは、各国の規制や税の影響。過熱する取引に危機感を抱いた中国当局が規制を大幅に強化した際には、すぐさま相場の暴落を引き起こしたことなどが広く知られています」
金に代わるリスク回避先として需要は伸びる見通し
開発コミュニティの動向にも価格は左右される。
「そもそもビットコインの誕生は’08年。テクノロジーが運用されてからまだ9年しか経っておらず、技術革新の真っ只中。まだまだ不備があって当然な段階ですが、そうしたニュースも価格変動の要因になっていますね」
前述したように取引所の不祥事やマクロ経済も人々の心理に強く影響を及ぼし、仮想通貨の乱高下に繋がる。
「’14年に起こったマウントゴックス事件のような取引所の事件や事故のニュースにも、市場は強く反応します。’13年のキプロスや’15年のギリシャのように、国の財政が破綻すると現地通貨の価値が暴落するので、『有事の仮想通貨買い』が起こります。国が発行している通貨とは異なる要因で変化するものなんです」(大塚氏)
ハイリスク、それゆえに投資対象として人々を惹きつけてやまないビットコインやアルトコイン。今後の仮想通貨投資は、どのようなトレンドに流れていくのだろうか。
「引き続き法定通貨から仮想通貨にリスクマネーが流れ、市場が拡大するのは間違いないでしょう。これまでは投資対象はビットコインに集中していましたが、今後のトレードにおいては、ビットコインとリップル、リップルとイーサリアム、というように仮想通貨同士での取引が加速していくと思われます」(大塚氏)
ビットコインは、石油取引におけるドルのように他のコインとの取引における「基軸仮想通貨」として、ますます重要な立ち位置を担っていく。
「ICOへの集中投資などで一攫千金を成し遂げた人たちも、今後はその資産を守るための分散投資をより進めていくのが、これからの仮想通貨投資のトレンドになっていくのでは」(大塚氏)
「分散投資は富を守る。集中投資は富を築く」―― とは、世界一の投資家・バフェットの名言。株投資の神の御言葉は、仮想通貨市場でも健在だ。
リスクを抱えながらも、当面は堅調に伸びていきそうな仮想通貨市場。新たな投資先として、うまく活用すれば資産形成の大きな味方になるのは間違いない。
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