BTC、ETH、LTC対応の仮想通貨ATM、アルゼンチン国内に4,000台導入へ
アルゼンチン中央銀行(以下:BCRA)は先日、自動支払機(ATM)の規制緩和を発表した。これにより、アルゼンチン国内に4,000台もの仮想通貨ATM導入の計画が立てられた。
規制緩和で銀行以外にも仮想通貨ATM設置が可能に
今回の新たな規制において、スーパーマーケットやショッピングセンター、映画館といった銀行ではない場所にもATMを置くことが可能になった。しかし、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨の内容は具体的に盛り込まれていない。
今まで特別な資格や国際的なつながりのある企業しかATMを展開できなかった上、銀行内の施設に作られることが義務付けられていたため新規参入は困難とされていた。しかし今回、BCRAが新しいルールを設けたことにより、規制の影響で参入できなかった多くの企業がATM事業に参入できるようになったのだ。
仮想通貨ATMの開発企業は新機種導入を計画中
アメリカのATM開発企業『Odyssey Group』は新政策において一歩抜きん出ていた。CEOのSebastian Ponceliz氏は「私たちは4,000台のATMを導入します。これは今後導入予定の30,000台の新しいATMのほんの一部に過ぎない」とコメントしている。
設置される新機種のATMは『Octagon』モデルとなる。Odyssey Groupは2017年、アルゼンチン国内に200台以上のATMを設置した。当時はビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)の3種類の交換のみに対応していたため銀行に設置することは出来なかったが、新機種のATMは法定通貨も扱うことが可能だという。
ATM設置の初期費用はおよそ半年で回収見込み
導入企業は、仮想通貨と法定通貨対応ATM一台につき約8,000ドル(約88万円)の費用と、設置に1000ドルから1,500ドル(約11~16万円)の手数料がかかる。さらにオーナーは証拠金(担保)を十分に持っておく必要がある。
※日本円換算は記事公開時点のレート
Odyssey Groupは今のATMについて「お菓子やジュースの代わりにお金を分配している自動販売機のようなもの」と表現している。オーナーはATMを通して取引された場合にトランザクション収益を得ることができる。銀行などの場所に制約されず客足の多い場所に設置できれば、平均してひと月ごとに10,000件ものトランザクションが見込める。そうなれば、およそ5ヵ月~6ヵ月で初期投資費用は回収も可能だという。
しかし、オーナーになる前にライバル企業のATMがどこに設置されるのかを知る必要があるが、それを調査できるモバイルアプリが既に存在する。アプリを使って調べ、分析をすることで、その地域の資産量を知ることも可能だという。より多くの資産が集まる地域には、ATM設置と同時に防犯対策の必要性も高まるだろう。
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